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「時を継ぐ書斎」― 北大植物園の記憶と、世界を歩いた知の足跡

当オフィスのエントランスとワークスペースには、北海道の自然学・建築史において重要な足跡を残された二人の先人、辻井達一先生と濱田暁生氏ゆかりの調度品を展示しています。これらの品々は、単なるアンティークではなく、北の大地に根ざした「知」と「創造」のバトンとして、私たちの日常を見守っています。

ゴミの中から救い出された、知の門扉

この空間の主役ともいえる8枚のアンティークガラス扉。かつては北海道大学植物園(1886年開園)で、数多の文献を収める書棚として使われていたものです。 文部省による施設建て替えの際、一度は「廃棄物」として捨てられかけたこの扉を、自らの手で救い出し、大切に保全したのは植物学者の辻井達一先生(故人)でした。
この扉について、辻井先生と親交の深かった建築家の濱田暁生氏(故人)は茶目っ気たっぷりにこう書き残しています。
「その昔、クラーク博士は時期的にどうだかわからないが、舘脇操博士や宮部金吾博士は(この扉を)開けたかも!?」
日本の近代植物学を切り拓いた巨人たちが、未知なる自然への扉を叩くようにして開けたかもしれないガラス。その揺らぎのある古い硝子越しに、今は縄文の土偶やアイヌの伝統工芸品が、さらに深い時の流れを私たちに語りかけています。

フィールドワークの風を運ぶ品々

書棚の傍らには、辻井先生が世界各地の調査研究で出会った品々が並びます。
ワシントン条約以前の貴重な象牙の麻雀牌、ヒマラヤの急峻な斜面を登るために工夫されたネパールの背負いバッグ、石造りのチェス盤、そして世界中の町で見つけた色彩豊かなピルケース。
それらは、研究者が厳しい自然の中を歩き、その土地の文化に敬意を払いながら集めた「知的好奇心の結晶」です。

原生林からオフィスへ。日々の創造を支える銘木

私たちが日々の業務に向き合うデスクは、厚沢部町の原生林から切り出されたクリの銘木です。長年、地元の鈴木木材で大切に保管されていたこの一枚板は、濱田夫妻の手を経て、今ここでスタッフの創造的な思考を支える場所となりました。

キーボードを叩く手元に、原生林の力強い呼吸を感じる。その傍らでは、濱田夫妻が三十年以上愛用された手廻しコーヒーミルが、かつての豊かな語らいの時間を今に伝え、私たちの仕事の合間に柔らかな安らぎを添えています。

未来を創るための、静かなエール

私たちは、この「知の系譜」が息づく空間で日々の業務を行っています。 先人たちが守り抜いたもの、世界中を歩いて見つけ出したもの。それらに囲まれていると、私たちが取り組む仕事もまた、長い歴史の地続きにあるのだと実感させられます。

オフィスを訪れた際は、ぜひこの書棚の前に立ち止まってみてください。 古いガラスの向こう側に、あなたも新しい発見への扉を見つけることができるかもしれません。