ヤンバルの自宅で、パチパチと爆ぜる火を見つめながら、静かな時間を過ごしていました。
焚き火のために拾ってきた薪(まき)を、一つひとつ火にくべていく。ただそれだけの作業の中に、組織運営の本質を突くような「気づき」がありました。
枝をそのまま放り込んでも、火はつかない
拾ってきたばかりの長い枝を、そのまま火の中に突っ込んでも、実は一部が黒く焦げるだけで、なかなか火は回りません。
しかし、その枝を自分の手でパキパキと細かく折り、火の中心へと導いてあげると、驚くほど勢いよく燃え始めます。
これは、会社組織も同じではないでしょうか。
大きなビジョンをそのまま現場に投げても、一部が焦げるだけで、組織全体のエネルギーには変わりません。一人ひとりの役割を、その人が受け止められる形に整えて、正しい場所に置いてあげる。リーダーのこの「丁寧なひと手間」が、組織の熱量を決めるのだと痛感しました。
理想は、揺るぎない「熾火(おきび)」の状態
焚き火が最も安定し、かつ最強の火力を放つのは、炎が立ち上がっている時ではなく「熾火(おきび)」になった時です。
薪の芯まで火が通り、真っ赤に輝く炭となった状態。派手な炎は見えなくても、その熱源は非常に強く、安定しています。新しい薪(課題や変化)を放り込んでも、盤石な熾火があれば、すぐにそれを新しいエネルギーとして取り込んでいけるのです。
目に見える一時の「勢い(炎)」を追うのではなく、全員に組織の熱量が浸透し、芯から熱を帯びている「熾火」のような組織。それこそが、環境の変化に動じない本物の強さを持っています。
「正しく古いものは、時代を超えて永遠に新しい」
私たちの会社では、この言葉を大切にしています。
焚き火という、人類が数万年前から繰り返してきた「正しく古い」営み。そこには、現代の組織運営にも通じる普遍的な真理が眠っています。
流行のマネジメント手法を追いかけることも大切かもしれません。しかし、本当に組織を支えるのは、熾火のように脈々と受け継がれてきた「対話」や「信頼」、そして「個を活かす丁寧な関わり」といった、普遍的で本質的な価値です。
本質的なものは、どれほど時間が経っても古びることはありません。むしろ、時代が巡るほどに、その価値は新しく輝きを増していきます。
組織という「火」を絶やさないために
大きな丸太を燃やすには、まず小さな枝を大切に扱い、火を繋いで熾火を作っていくプロセスが欠かせません。
ヤンバルの森で拾った枝を折りながら、改めて自社の、そして関わる企業様の「火」を絶やさず、芯から熱く、そして「永遠に新しい」組織を育てていく決意を新たにしました。
皆様の組織の「火」は、今どんな状態でしょうか?
ときには炎を休ませ、じっくりと「熾火」を育てるような本質的な対話が必要かもしれません。